ねむの木食堂 2019.01
田辺市の山間部、熊野古道中辺路に昨年オープンした「ねむの木食堂」。さらに山奥の「カフェとごはん 朴」の2号店ということで期待大。
もとは「清姫茶屋」として営業していた建物です。歌舞伎や浄瑠璃の道成寺に登場する悲劇のヒロイン・清姫の生誕地なのだそう。
1月はお正月メニューということで、とても華やかな色どり。イクラと鮭のちらし寿司も美味しかったですが、天ぷらが予想以上に本格的でした。衣がとっても軽くてサクサク、ネタはほっこり。
信州豚のロースカツに荒金でおろした大根。洋食メニューもしっかり美味しい。
価格は1200円~1400円程と、田舎の食堂としては強気の設定だけれどもその価値はあるのではないでしょうか。
田舎だから安かろうと誰が決めたのさ。
川のせせらぎを聞きながら、ゆったりした時間を楽しめました。
The Cue
今や全国的な潮流になってきた、町屋や農家など古民家のリノベーション。
熊野古道を観光の核に据えるここ田辺でも、ここ数年で何軒かのカフェやゲストハウスが開業しています。
その中でも断トツにお洒落なのはここ、「The Cue」
駅前の飲み屋がひしめく路地の中に、ぽつんと取り残された古民家を改装。ゲストハウスとカフェを併設しています。
山深い土地らしく、ジビエのハンバーガー。ビッグマックの倍はあろうかというボリュームで1000円。鹿と猪のパティはでっかくて分厚くて旨味がしっかり。
これまた地元のクラフトビールとガツガツいきたい所でしたが、諸事情によりノンアルコールで。次は必ず飲んでやる。
デザートもいろいろあって満足度は高し。
週末のお昼に、ビールとともに夜の部でも、素敵な時間が過ごせそう。
尼崎散歩 2018.12②
関西のそれなりに大きな街にはほとんど必ずあると言っていい、役目を終えようとしている商店街。数えきれないシャッターに、往時の賑わいの残り香を探してみる。
3つの商店街で、開いている店は3つか4つ。昭和の息遣いを感じながら歩く。
戦後から高度成長期に全国の都市に作られた無数の商店街は、おそらくどこも似たような風景なのだと思う。しかしそれは、経済の衰退や人口の減少故なのかといえばそれも違う気がする。
40年ほど前、まる子と友三が手をつないで歩いていた頃のまま時間が止まっているかのよう。
おそらくは、店を守る人も買い物をする人も、その頃人のままなのではなかろうか。新しくできた町が、そのまま朽ちていく。すぐ近くに新しいマンションとショッピングモールが建てられる。使い捨てられる様こそがわが国の高度成長のカタチそのものではないかとふと思う。
それでも昭和のこの町は、まだ生きている。
Fujifilm X-Pro2 XF23mmf1.4